COMPUT DYN

共同研究グループ (2) (非線形物理グループ)

研究題目

大自由度非線形力学系に対するデータ駆動型縮約モデリング法の確立

研究概要

本研究グループでは、大自由度非線形力学現象から本質的な少数の自由度を抽出することによって系の次元を削減して解析するための縮約モデリング法の確立、特にこれを系の基礎方程式が未知の状況で観測データのみに基づいて行うための理論的枠組みを構築します。これを流体系や化学反応系、量子散逸系、さらに電力工学系などの非線形大自由度力学系に適用し、現象の背後に潜むメカニズムを我々に理解可能な形で抽出します。さらに、縮約モデルに基づく大自由度系の新たな制御や最適化の手法を発展させる基盤の構築を行います。大自由度非線形力学系に対する順問題、逆問題における課題を同時並行的に取り組み相互に関連させつつ発展させ、大自由度非線形力学系に対する縮約モデリング基盤を確立します。

縮約モデリング基盤

研究構想における位置づけ・必要性

本研究グループでは、大自由度の化学反応系や流体系、また量子散逸系などの基礎物理化学現象や、電力工学系のような人工物における大自由非線形現象に対して、現象を記述する本質的に重要な少数の変数を抽出することによって系の次元を大幅に削減した上でその発展法則を導く、大自由度非線形力学系の縮約モデリング手法の確立を目指すものになります。本研究グループの鍵となるのは、非線形力学分野で伝統的に培われてきた力学系の次元縮約理論、応用数学分野で近年提唱されて大きな注目を集めているKoopman作用素論や動的モード分解に基づく力学系の解析手法、およびそれらを適切な形で融合させるための機械学習手法です.本グループは、統計科学・機械学習基盤を発展させる代表者グループと、作用素論的解析手法に関する数学基盤を発展させる数学グループの知見に基づいて、具体的な物理現象に対して、生命現象を扱う生物モデリング・グループとともに、本研究構想である作用素論的データ解析に基づく複雑ダイナミクス計算基盤を実装し、その有用性を明らかにします。